By gravity 
室町 時代 とは、日本の歴史において、足利将軍が京都の室町に幕府を置いた約240年間を指します。鎌倉時代から戦国時代へと移り変わる、政治的な混乱と、独自の文化が花開いた非常に特徴的な時代です。この時代は、現在の日本の文化や社会の基盤となった要素も多く含まれています。この記事では、そんな 室町 時代 について、「いつからいつまで？」といった基本情報から、主要な 室町 時代 年表 や 室町 時代 出来事、この時代を動かした 室町 時代 人物、そして 北山文化 と 東山文化 という二つの華やかな 室町 時代 文化、人々の 室町 時代 服装、さらに 室町時代の次 に来る時代までを、室町 時代 まとめ として分かりやすく解説します。歴史を学ぶ方や、この時代に興味がある方の疑問に答える包括的なガイドを目指します。
室町時代とは？いつからいつまで？
室町 時代 は、日本の歴史において、**1336年（建武3年）**に足利尊氏が建武の新政を破って政権を樹立し、**1573年（元亀4年）**に織田信長が室町幕府15代将軍足利義昭を追放するまでの、約240年間を指します。これが 室町 時代 いつからいつまで の答えです。
この時代、足利将軍家は京都の室町に幕府を置いたことから「室町幕府」、そして時代名も「室町時代」と呼ばれます。鎌倉幕府が滅亡した後の混乱期を経て成立し、戦国時代の幕開けへと繋がる、日本の歴史における大きな転換点の一つです。
室町時代の主な流れ：政治と出来事
室町 時代 は、足利将軍による武家政権が中心でしたが、南北朝時代の混乱や、応仁の乱といった内乱が頻発し、政治的には不安定な時期でした。ここでは、室町 時代 の主要な政治の流れと 出来事 を、室町 時代 年表 を交えながら見ていきましょう。
室町時代 年表：主要な出来事
- 1336年: 足利尊氏が建武の新政に反旗を翻し、室町幕府を開く（広義の始まり）。
- 1338年: 足利尊氏が征夷大将軍に任じられ、室町幕府が正式に成立。
- 1336年 – 1392年: 南北朝時代。京都の北朝と吉野の南朝に皇室が分裂し、約60年間にわたる内乱が続く。
- 1392年: 足利義満の時代に南北朝が合一。
- 1394年: 足利義満が明との間で勘合貿易（日明貿易）を開始。
- 1397年: 足利義満が金閣（鹿苑寺舎利殿）を建立。
- 1428年: 正長の土一揆が発生。
- 1467年 – 1477年: 応仁の乱。室町幕府の権威が失墜し、全国的な戦乱（戦国時代）のきっかけとなる。
- 1489年: 足利義政が銀閣（慈照寺観音殿）を建立。
- 1543年: ポルトガル人が種子島に漂着し、鉄砲が伝来。
- 1549年: フランシスコ・ザビエルが来日し、キリスト教が伝来。
- 1573年: 織田信長が室町幕府15代将軍足利義昭を追放。室町幕府が滅亡。
室町幕府の政治機構と特徴
室町幕府は、初代将軍の足利尊氏から始まり、15代将軍の足利義昭まで続きました。幕府の政治は、将軍を補佐する役職である管領（かんれい）が重要でした。管領には、有力な守護大名である細川氏、斯波氏、畠山氏の三家が交代で就任しました（これを三管領と呼びます）。
鎌倉幕府が各地に地頭を置いて直接支配を強めたのに対し、室町幕府は**守護大名（しゅごだいみょう）**と呼ばれる各地の有力武士を介して支配を試みました。守護大名は次第に国衙（地方政府）の権限を奪い、一つの国を実質的に支配するようになります。これが後の戦国大名へと繋がる流れとなります。
南北朝時代の混乱
室町幕府の成立直後、後醍醐天皇が京都を脱出して吉野（奈良県）で南朝を樹立したため、京都に足利尊氏が擁立した北朝と、吉野の南朝に皇室が分裂しました。これにより、約60年間にわたり南北朝時代という混乱期が続きました。この内乱は全国に波及し、室町幕府の権力を不安定なものとしました。
応仁の乱とその影響
応仁の乱（1467年-1477年）は、室町時代の政治構造を決定的に変えた最大の出来事です。将軍の後継者争いや、有力守護大名同士の対立が複雑に絡み合い、京都を主戦場とした大乱となりました。
応仁の乱の結果、室町幕府の権威は地に落ち、管領家をはじめとする守護大名も大きな打撃を受けました。これにより、全国各地で守護大名に代わって実力を持つようになった戦国大名（せんごくだいみょう）が台頭し、「下克上（げこくじょう）」（下の身分の者が上の身分の者を倒して権力を握る）の風潮が強まりました。応仁の乱の終結をもって、実質的に約100年続く戦国時代が始まったと考えられています。
室町時代を彩った人々
室町 時代 は、政治や文化の中心で活躍した多くの 人物 がいます。
- 足利尊氏（あしかが たかうじ）: 室町幕府の初代将軍。混乱の中から幕府を開き、武家政治を再構築しました。
- 足利義満（あしかが よしみつ）: 室町幕府の第3代将軍。南北朝の合一を実現し、将軍の権威を確立しました。金閣（鹿苑寺）を建て、明との勘合貿易を行うなど、北山文化の中心となりました。
- 足利義政（あしかが よしまさ）: 室町幕府の第8代将軍。応仁の乱の頃の将軍で、政治的な指導力は振るえませんでしたが、銀閣（慈照寺）を建て、東山文化を保護しました。
- 世阿弥（ぜあみ）: 能楽を大成させた観阿弥の子。能の理論書を書き、能を室町時代の代表的な芸能へと高めました。北山文化を代表する人物です。
- 雪舟（せっしゅう）: 水墨画を大成させた禅僧・画家。力強く大胆な筆致で風景画を描き、東山文化を代表する画家として後世に大きな影響を与えました。
- 村田珠光（むらた じゅこう）: 侘び茶の創始者とされ、茶の湯の精神性を高めました。東山文化の一角を担う人物です。
- 各地の守護大名・戦国大名: 細川氏、山名氏、大内氏といった応仁の乱の中心となった守護大名、そしてその後に台頭する織田信長、武田信玄、上杉謙信といった戦国大名の祖となる人々も、この室町時代の混乱期に力を蓄えました。
室町時代の文化：二つの華「北山文化」と「東山文化」
室町 時代 は、政治的な混乱とは裏腹に、非常に豊かで特色ある 文化 が花開きました。特に、足利義満の時代の**北山文化（きたやまぶんか）と、足利義政の時代の東山文化（ひがしやまぶんか）**は代表的です。これらは後の日本の文化の基礎を築きました。
北山文化（足利義満の時代）
北山文化は、14世紀末から15世紀前半にかけて、第3代将軍足利義満を中心に栄えた文化です。特徴は、武家文化、公家文化、そして**禅宗（臨済宗）**の文化が融合し、豪華で華やかな雰囲気を持っていたことです。
- 代表例:
- 金閣（鹿苑寺舎利殿）: 足利義満が建立した別荘の一部で、その名の通り金箔が貼られた豪華な建物です。寝殿造、武家造、禅宗様のスタイルが混ざり合っています。
- 能楽: 観阿弥・世阿弥親子が大成させ、幕府や公家から保護されて発展しました。音楽、舞踊、劇が一体となった芸術です。
- 禅宗（臨済宗）の影響: 禅宗が武士や公家から信仰され、水墨画や庭園などに影響を与えました。
北山文化は、将軍義満の権威と財力を背景にした、力強く華やかな文化でした。
東山文化（足利義政の時代）
東山文化は、15世紀後半、第8代将軍足利義政を中心に栄えた文化です。応仁の乱の混乱期と重なりますが、政治から離れて文化活動に没頭した義政によって保護されました。北山文化に比べて、地味で落ち着いた雰囲気を持ち、**侘び・寂び（わび・さび）**といった禅の精神性がより深く反映されています。
- 代表例:
- 銀閣（慈照寺観音殿）: 足利義政が建立した山荘の一部。金閣とは対照的に、侘び寂びの精神に基づいた質素で洗練された美しさを持っています。
- 書院造（しょいんづくり）: 武家の住宅様式で、後の日本建築に大きな影響を与えました。床の間、違い棚、付書院といった要素が確立されました。
- 茶の湯（わび茶）: 村田珠光によって精神性が高められ、侘び茶として確立されました。簡素な空間で静かに茶を点て、飲むことに精神的な深みを見出す文化です。
- 水墨画（すいぼくが）: 雪舟などが活躍し、禅宗の影響を受けた単色の濃淡で描かれる風景画が発展しました。
- 華道（いけばな）: 花を生けることの精神性が高められ、様々な様式が生まれる基礎ができました。
- 連歌（れんが）: 複数の人で上の句と下の句を詠み繋いでいく文学形式が発展しました。
東山文化は、応仁の乱の混乱の中で生まれた、内面的な精神性や簡素な美を追求した文化であり、現在の日本文化に繋がる要素が多く含まれています。
室町時代の服装
室町 時代 の 服装 は、鎌倉時代からの武士の装いを引き継ぎつつ、社会の変化や文化の影響を受けて変化しました。
- 武士: 平常時の装いとしては、**直垂（ひたたれ）や素襖（すおう）**が広く着られるようになりました。これらは上下が揃ったゆったりとした服で、活動的でありながら儀礼にも対応できるものです。鎌倉時代に比べて装飾は控えめになり、実用性が重視される傾向が見られました。正装としては大鎧や胴丸といった鎧を着ることもありましたが、平時の服装が多様化しました。
- 公家: 平安時代からの伝統的な装束（十二単など）を守りつつも、経済的な衰退や武家との交流により、武家の服装の影響を受けることもありました。
- 庶民: **小袖（こそで）**と呼ばれる現在の着物の原型となる袖口の小さい服が、身分を問わず広く着られるようになりました。小袖は庶民の普段着として定着し、染色や模様にも多様性が生まれていきました。この小袖の普及は、後の時代の服装に大きな影響を与えました。
また、この時代には笠や烏帽子、時には西洋風の帽子なども見られるようになり、服装の多様性が進みました。
室町時代 まとめ：わかりやすく
室町 時代 は、一言でまとめると、**「政治的な混乱の中で、武家・公家・禅が融合し、新たな文化が生まれた時代」**です。
- 政治: 足利将軍による幕府がありましたが、南北朝の分裂や守護大名の台頭、そして決定的な内乱である応仁の乱により、将軍の権力は弱体化しました。守護大名が戦国大名へと変化していく過渡期でした。
- 社会: 下克上の風潮が広まり、実力のある者がのし上がっていく社会へと変化していきました。荘園制度が崩壊し、村落や都市の自治が進む側面もありました。
- 文化: 北山文化（華やか、金閣、能楽）と東山文化（地味、侘び寂び、銀閣、茶の湯、水墨画、書院造）という二つの異なる魅力を持つ文化が花開き、後の日本の伝統文化の基盤となりました。
室町 時代 は、戦国時代という激動の時代へ向かう準備期間であり、政治的な不安定さの中で、日本の文化が多様に発展した重要な時代と言えます。
室町時代の次：戦国時代へ
室町 時代 が終わった後、日本の歴史は全国的な内乱の時代へと突入します。
室町時代の末期、特に応仁の乱以降は、室町幕府の支配力が有名無実化し、各地で実力を持った戦国大名たちが互いに領地を奪い合う 戦国時代（せんごくじだい） が始まります。
そして、戦国時代の混乱を収束させ、天下統一を目指した織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が登場する 安土桃山時代（あづちももやまじだい） へと続いていきます。
したがって、室町時代の次 に来るのは、戦国時代、そして安土桃山時代となります。室町時代の政治的な弱体化と守護大名の成長が、戦国時代の幕開けを直接的に引き起こしたのです。
まとめ：室町時代から現代へ繋がる日本の形を理解する
この記事では、室町 時代 という日本の歴史における重要な時代について、その始まりと終わり、政治や主要な出来事、この時代を彩った人物、北山文化と東山文化という二つの独特な文化、そして当時の服装や、この時代がどのように次の戦国時代へと繋がっていったのかを、分かりやすく解説しました。
室町 時代 は、政治的な混乱期であった一方で、能楽、茶道、華道、水墨画、書院造といった、現在の日本の伝統 文化 に深く根差しているものが多く生まれた時代でもあります。また、小袖が庶民に普及するなど、人々の生活や 服装 も変化していきました。
室町 時代 を理解することは、その後の戦国時代や江戸時代の歴史を理解する上で不可欠であり、さらに言えば、現代の日本 文化 や社会の基層にある考え方や美意識を知ることに繋がります。この記事が、 室町 時代 という時代への理解を深め、日本の歴史への興味をさらに掻き立てる一助となれば幸いです。